代表ご挨拶

石並川の景観と安全を守る会


 昨今はやりのエコツーリズム。自然環境を観光資源として活用することは素晴らしいアイデアだと考えています。多くの環境保護・保全のための署名運動にみられる共通点は、事業者側の一方的な効率性や合理性を優先させた候補地の選定方法や計画推進により、近隣住民やその場所の利用者の利益を侵害する危機が発生することがきっかけとなる場合が多いと思います。

 公共的・非公共的な開発事業は決して無秩序に行われてはならないと、私たちは考えています。「保護・保全」すべきと「活用」すべき場所の分別ある選定を守らなければならないのです。

 世界では今、サーキュラリティー(循環性)や、サーキュラーエコノミー(循環経済)が唱えられています。大量生産・大量廃棄によって資源の枯渇を促してきた従来の経済モデル(線形経済)から、循環経済モデルへの転換が進んでいます。日本でも「循環経済ビジョン2020」が経済産業省によって取りまとめられて、「環境と成長の好循環」をキーワードに循環性の高いビジネスモデルへの転換が重要な課題となってきました。

 「循環性」とはなんでしょうか。人間中心ではなく人間が自然の一部として暮らす循環型社会について詳しい大山貴子さん(株式会社fog代表)によると”予測不可能と言われるこの先の未来に多様な種が生き残っていくために必要な、適切な状態の土壌や環境・文化をその地域に作るのが、サーキュラリティ(循環性)だ”と言われています。

 送電線架設計画に見られるような公共性の高い事業であったとしても、架設路線の選定プロセスを含む全行程において、その地域特有の循環性について考慮すべき時代が来ているのです。事業者側のみ効率性・合理性だけを重視した無秩序な開発の時代は終わるべきなのです。

 全世界では様々な環境保護の取り組みが行われ、大規模な署名活動をされている方がたくさんおられます。私たちの活動は、それらに比べたら取るに足らないような小さな問題と考えられても仕方がないと、実際の活動を通じて感じてきました。しかしながら、どんなに小さな変化であっても、その場所を大切に思う人々がおられ、変わって欲しくないと願っているのならば、声をあげて活動することの意味はあると思います。

 石並川は過去30年以上に渡って人々が集まる憩いの場所であったことは間違いない事実です。日向市が河川プールとして公認していなくとも、人が集い、自然の美しさ・奥深さに気づき自然を愛する心が芽生える貴重な場所なのです。私たちはこの場所を未来のために未来のために守りたいと思い、立ち上がりました。

皆様の温かい見守りとご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。


瀧本百合

2015年に長男が生まれたことをきっかけに、長年に渡る海外生活に一旦終止符を打ち、宮崎県日向市に移住。美々津町の石並川の美しさに惚れ込み、徒歩圏内の場所にLe Lodge美々津という簡易宿所を営む。地元民と同じぐらいに石並川を愛している。

和田聖志

日向市美々津町在住。妻と3人の子供と限りなく持続可能な生活スタイルを実践している。「宮崎県の自然と未来を守る会」を発足させるなど、自然環境保護のための活動に意欲的に参加する。石並川など日向周辺の河川に明るく、沢歩きガイドも務める。